【ネタバレ・感想】韓国映画『新感染:ファイナルエクスプレス』から学ぶ人生(レビュー)
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え!?主人公って大沢たかおじゃあなかったの!?
ドン
『新感染:ファイナルエクスプレス』
スタッフ
監督ヨン・サンホ
製作イ・ドンハ
製作総指揮キム・ウテク
脚本パク・ジュソク
撮影イ・ヒョンドク
キャスト
コン・ユ ソグ
キム・スアン スアン
チョン・ユミ ソンギョン
マ・ドンソク サンファ
チェ・ウシク ヨングク
あらすじ
ソウルとプサンを結ぶ高速鉄道の中で突如として発生した、謎のウィルスの感染拡大によって引き起こされる恐怖と混沌を描いた韓国製サバイバルパニックアクション。ソウルでファンドマネージャーとして働くソグは妻と別居中で、まだ幼いひとり娘のスアンと暮らしている。スアンは誕生日にプサンにいる母親にひとりで会いにいくと言い出し、ソグは仕方なく娘をプサンまで送り届けることに。ソウルを出発してプサンに向かう高速鉄道KTXに乗車したソグとスアンだったが、直前にソウル駅周辺で不審な騒ぎが起こっていた。そして2人の乗ったKTX101号にも、謎のウィルスに感染したひとりの女が転がり込んでいた。主人公のソグ親子のほか、妊婦と夫、野球部の高校生たち、身勝手な中年サラリーマンなど、さまざまな乗客たちが、感染者に捕らわれれば死が待ち受けるという極限状態の中で、生き残りをかけて決死の戦いに挑み、それぞれの人間ドラマが描かれる。(以上、映画.comより)
予告
冒頭から大沢たかおという冗談を入れてしまいましたが、皆さんご存知韓国映画です。
で、僕は今作を見るつもりがサラサラ無くてですね、、、同じ公開日のジャッキー・チェン主演『スキップトレース』かアーロン・テイラー=ジョンソン主演『ザ・ウォール』を見に行くはずだったんですよ。
だけど仕事が終わらなくて、ちょうどいい上映時間がどちらも終わってしまったので、凄くおもしろいと噂の新幹線、、間違えた『新感染』でも見に行くか〜って事で急遽見る事にしました。
正直ね、韓国映画ってバイオレンス系の映画しか興味無かったから、まったく期待しないで新宿ピカデリーで見て来ました。
って事で、早速いつも通り初めて行きたいんすけど、いつもはキャストやらなんやらの小ネタとか色々書いてるんですが、今回は小ネタとかまったくございませんので感想だけにしたいと思います(笑)
それでは行きましょう!
ネタバレ感想
うん!おもしろい!!
だがしかぁぁぁぁぁし!!
文句が多いのはなぜだろう、、、
ん〜面白かったですよ。
劇場出る時に他のお客さんの会話に聞き耳立ててましたけど、皆さん楽しんだっぽかったですしね。
「韓国人ってなんであんなに一重が多いの!?」ってカップルの会話には笑いそうになりましたけど、、、
一応そのカップルの疑問にお答えしてるリンクを貼っておきますね。
話がずれました、、、
僕は面白かったんですけど、性格が捻くれてるのか「ここおしいな〜」みたいな細かい文句が少々あります(笑)
なので簡単に良かった所と悪かった所をまとめて行きたいと思います。
じゃあ、最初は
良かったポイント
・限定された空間でのパニックは一定量の面白さがありますよね
物語を面白くするのは"制限"だなんてよく言われてます。
例えばホラーだったら携帯電話が繋がらなくなるとか、スーパーマンはクリプトナイトがあると弱くなるとか、バットマンはどんなクソ悪党でも殺さずの誓いがあるとか、とにかく思い返してみるといろんな映画に"制限"ってのは必ずと言って良いほど出てくると思います。
で、今作の場合は新幹線(実際は高速鉄道?)の中という空間の中で自由に動けないってのが制限ですよね。
限定された空間ってのは舞台自体が物語を面白くする"制限"なので、限定された空間でパニックになるってのは一定量の面白は保証されてるといると思います。
なんだけど、今作の場合、限定された空間という制限の中にもう一個制限があるのが良いんですよね、、、
それは、限定された空間で狭いんだけど広いって事です。
なに言ってんのかよく分かんないですよねw
要は縦に細長いって事です。
横で考えたらめっちゃ狭いんだけど、新幹線なので縦には広いんですよね〜
なので、前に進みたければ人orゾンビを掻き分けて行かなければならない。
これが限定された空間という"制限"の中にある"もう一つの制限"となっているので、生意気な事言ってしまえば、よっぽどの事が無い限りつまらなくはならないはずなんです(笑)
そーいえば今作で、目的車両に向かうためにゾンビに占領された車両を突破しないといけないって事で、主人公とマッチョと野球部の彼氏が腕ぐるぐる巻にして戦闘モードになるパートがあるじゃあないですか。あそこで3人がかっこよく並んで「行くぞ」って感じになって上がるのと同時にちょっと笑えるショットになるんですけど
なんで誰も笑ってないの!?(笑)
僕、あのシーン「ナニコレ・・・」って感じでめっちゃ面白かったんですけどw
あとさ、トンネルの中に入ったらゾンビは音しか認識出来なくなるって事で、確か2分?という制限時間以内にそこそこな人数で荷物置きの上を匍匐前進しなきゃならないってシーン出てきますけど、
さすがに2分であれは無理だろうぅぅ、、、(笑)
ってのは面白かったですね(笑)
まあちょっとしたツッコミになっちゃいましたけど、こういった面白い展開ってのも縦に細長いっていう"制限"が生み出してるものなので良いですよね〜。
・顔がいい
本当どうでも良い話なんですけどキャストの顔が良いです・・・マジで。
顔が良いっていうか最高です
良い奴は普通に良い顔してるってぐらいで特に言う事ないんですけど、凄い語りたくなるのは悪い奴らの顔面ですwww
今作では心底ムカつく奴らが出てくると思いますけど、そいつらの顔の説得力が半端ないw
ホントくそムカつく顔してるんですよ。
なんかね〜これ言うと韓国人の顔をバカにしてるように思われそうだから嫌なんですけど、韓国映画ってムカつく役を演じる役者がマジでムカつく顔してるんですよね。
僕はそれがたまらない派なんです(笑)
これ↓僕の好きな『アジョシ』って映画のムカつく悪役
ホントムカつく良い顔してるでしょ(笑)
悪役の顔はこの辺にしたとして、主人公コン・ユさんの顔もいいすね。
まったく知らない俳優さんでしたけど、韓国のイケメンフェイスって感じ。
あとね〜佇まいが、、、カッコよすぎ。なんだよあのスーツ姿。スラッとしてて無駄にかっこ良かったです。
腕っ節の強い妻思いのマッチョも良い顔してましたね〜。荒いんだけど奥には善意がある感じが顔からかすかに漂ってたと思います。
あとさ〜、オバさん姉妹いたと思うんですけど、あの2人が
絵に描いたようにオバさん過ぎるとか顔だけでも語りたい事がたくさんあります(笑)
今時あんなグルグル頭のオバさんいるかね(笑)
・人物設定とか色んな設定がいい
まず、キャラクターの設定が良いと思います。
こういった類の映画にしては珍しい、主人公がそんなに良いやつじゃない点とかね。
詳しく言うと悪い奴じゃあないんだけど、自分と娘が良ければ良いタイプ。
でも言ってしまえば一番リアルなキャラかもしれないですよね。
考えてみて欲しいんですけど、もし自分に娘がいて本当にあのゾンビだらけなシチュエーションになって、自分と娘だけが助かるコネがあったら使いませんか?あのようなシチュエーションで綺麗事なんてマジで言ってられませんよね…
僕は東日本大震災の被災地出身ですが人を轢いてでも津波から逃げようとした人がいるぐらいですから、本当に緊急事態では人間はどうなるか分からないです…
自分だったらどうするか考えてみると、どういった行動をするのか怖くなって考えたくなくなります。
なんか少しズレてしまいましたが、主人公の設定が映画として見ると珍しいんだけど現実で考えるとリアルなキャラ設定で良かった。娘と心の距離が少々あるってのも定番ですが良いですよね…(涙腺が、、、)
後はマッチョマンも良いですよね。
彼は妻が一番大切だけど、他者にも優しい漢気溢れるタイプ
あの人良かったですね〜。
最初さトイレの中に「2人いる」とか言って門番的な事してるからトイレで良からぬ事してる2人の門番をしてる所謂"下っ端"なのかと思ったら、そーいう2人かぁぁぁぁいってなって自分の想像力のゲスさを呪いましたね。
ってのはどうでも良いんすけど、彼は要は主人公と対比になるキャラですよね。主人公と同じく守るべき存在が1人いるんだけど、自分と関係ない他者である主人公の娘の事も気に掛けたりする所が主人公とは違う。主人公とマッチョマンの関係が物語を結構おもしろくしてるので、あの2人のキャラ設定はとても良かったと思います。
上の話と少々かぶりますが、悪役っていうかクズ役?バス会社常務のキャラ設定も最高ですね。
彼も主人公と一緒で自分だけが良ければ良いタイプなんですよ。でも主人公はまだリアルな方なんだけど、彼は完全にやり過ぎてて純粋なる悪役って感じなので今作では絶対に必要なキャラ設定だと思います。
他には決して可愛いとは言えない彼女を持ったカップルがいたりとか全体的にキャラ設定がgoodだと思いました。
後はゾンビの設定も僕は好きですね〜
何が良いってゾンビ化するのが早すぎる事。
噛まれてからゾンビとしてあれだけ早く働けるならゾンビ界では超有能ですよ(笑)
普通のゾンビ映画では噛まれてからゾンビ化するまで時間があって、噛まれてるのに味方に"ホウ・レン・ソウ"しなくて大変な事になるとか良くあるくだりだったりするんですけど、今作では「そういうのいらん」と言わんばかりに即効でゾンビになってくれます。
それが潔くて見てて楽しかったですね。
後はゾンビの動きが早いのも良い。
ゾンビの動きが早いに関しては『ワールドウォーZ』みたいな津波のように迫り来るゾンビをやりたかったのか知らないですけど、あの映画を見た事がある人は今作のゾンビの動きを見て「あ、あれがやりたいんだ・・・」って思ったと思います。
ただ、今作に関しては横幅が狭い限定された空間なので奥からゾンビがワシャァァァアと押し寄せてくる感じが切迫してて非常に良かったと思います。
ちょっと気になった悪い点
・二つの良き設定がケンカしてる気がする・・・
何の設定がケンカしてるかは以下の二つです。
・ゾンビ化が早い
・クズ役
詳しく言うと一つの設定とクズ役の取る行動がケンカしてるって感じなんですよね〜
どこのシーンの事を言ってるのかというと、バス会社のクズ野郎たちが安全車両を占領して「感染してるかもしれない」という理由で主人公たちを安全車両に入れない所です。
いや〜ね、あそこのシーンは朝鮮戦争を表現してるんじゃあないかとか、色々あんのは分かりますよ?扉が国境を表してるみたいなね?
でもそれは一旦置いときましょう(笑)
で、何が言いたいかなんですけど、ゾンビ化するのがめっちゃ早いってのをみんな知ってるはずなのに「感染してるかもしれない」ってクズ野郎の主張で主人公たちを入れないのはどうしても引っかかりましたね、、、
「感染してたらもうゾンビになってて入れないでしょ」って感じで。
で、結局安全車両に主人公たちは入り込みますけど、また「感染してるかもしれない」って理由で追い出されます。
いやだからさ
「感染してたらもうゾンビになってて会話すら出来ないでしょ」
って感じで、せっかく面白くなるクズ展開なのにゾンビ化が早い設定とクズ役の主張がケンカしてしまっていて、あの展開を純粋に楽しめませんでした。
ただ、ゾンビ化が早いって設定とあの展開を生み出すクズ野郎の設定どちらも今作にとって欠かせない存在だから、おしいな〜ってぐらいで致命的な文句ではないです(笑)
・心情の変化について
主人公って最初、自分と娘だけが助かれば良いってのが色濃く描かれてるじゃあないですか。でも特に心情の変化の描写がないまま、いつのまにか駅の階段で腰が砕けてる野球青年を気にかけたり、列車に乗れるか乗れないかギリギリのマッチョを手助けたりするんですよ。
ゾンビが迫ってる!でもマッチョもいる!主人公は扉を閉めてしまったけどマッチョは似たようなシチュエーションで扉を開けてあげるって展開で、扉を開けてもらって助かったのは主人公ですからそれで心情が変わったんだと思うんですけど、特に心変わりしました!みたいな描写が無かったので入れて欲しかったですね、、、
ただ、誰もが分かりやすい描写を入れれば良いってわけでもないから、あくまで匂わす程度で良いから描写を入れて欲しいですね。
入れないとイキナリ他者を気にする性格に変わったように見えてしまうから違和感を感じてしまうんすよね…
他にはホームレスも終盤の列車が倒れかかってしまって身動きが取れないって時に突然ヒーロー的な行いをしますよね。
実は最初の方でゾンビにマウント取られてる主人公の事を助けてたりはしてるのですが、最後の行動は明らかに自分の命を捨てたヒーロー的な行いです。
あれもイキナリ命を捨てた行動を取るから違和感に感じるんすよね〜
「あなたそういう事する人じゃあないでしょ」って思っちゃいます。
例えば列車が邪魔で身動き取れない中でゾンビが窓を割って襲ってきそう、女の子が泣いている、その姿をホームレスがチラっと見て、窓が割れて迫りくるゾンビを命を捨ててせき止めに行って「俺には生き残ったって帰る所がない!!いけぇぇぇえ!」みたいな描写があるだけで説明的ではありますが違和感なく感動的なシーンになると思うんですけどね、、、
・もうちょっと活かせた点があると思うんですけどね…
マッチョマンがさ、ご丁寧に「父親ってのは反対されようが犠牲になるもんだ」的なTHE男気溢れるセリフを言いますよね?
あ〜この人死にますね、、、そしてこのセリフが活きるような展開で最期を迎えるんでしょうね〜!
って思うんですけど
大して活きてないw
死に方はまさに妻を守るために自分を犠牲にして死ぬって感じなんだけど、妻が泣いてるだけで反対を一切しないんすよ(笑)
「え?なんで?そこは妻が自分を犠牲にしようとしてる旦那を反対しないとさっきのセリフ100%活きなくない!?」
って思っちゃいましたね〜。
というか、そもそも旦那さんて、扉を抑えてたら手を噛まれちゃうじゃないですか。噛まれたから自分を犠牲にして仲間を守るってゾンビ映画のアルアルだったりしますけど、あのくだりに関しては噛まれてないのに自分を犠牲にするっていう方がウルってくるし、妻も反対する理由が大きくなるので「父親ってのは反対されようが犠牲になるもんだ」ってセリフがより活きると思います。
でもね、こんな文句を思いつつも、そのシーン見てる時の僕はどうなってたかと言うと
大号泣ですからね。
・・・
あとね〜悪役の最期も物足りない…
あれだけ悪役をクソに描いたんだから、死に方をクソ役を演じた役者にもっと敬意を払って誰もがスッキリする死に方にしないとダメですよ、、、
まだオバちゃんが開けた魔界の扉で最期を迎えてた方がスッキリしてましたよ。
オバちゃんが扉開けたことによって、絶対死んだだろうと思わせておいて結局生きてたから、これからスッキリする死に方が待ってるんだろうな〜って思ったら
ゾンビ化済みっていうね。
へ!?
正直、拍子抜けましたよ…(笑)
ただ、その後に主人公がゾンビ顔で微笑むのが反則過ぎたから
オーーーールオッケェェェェェェェェェェェェエエイイイって感じ。
まぁ文句もそれなりに言ってしまいましたが、一定量の面白さが保障されてる映画ってのも少なからずあるとは思うんですけど、面白かったのは確かです。
『新感染』から学ぶ人生
1. "男は反対されても犠牲になるもんだ"
2. "最初に抱いた感情は忘れちゃダメ"
1.に関しては劇中のセリフ一部分を"男"に変えました(笑)
2.に関しては、主人公は娘を初めて抱いた時の感情・思い出を本当に最後の最期で思い出します。
僕はあれをみて「やっぱり一番最初に抱いた感情って忘れちゃいけないんだな…」って改めて思いました。
Fin
余談
ゾンビのビジュアルは『アイアムアヒーロー』の方が怖かったな〜