【ネタバレ有・感想】『パトリオット・デイ』から学ぶ人生
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最近タイミング悪い事に爆発テロが起きましたね…
ドン
『パトリオット・デイ』
作品情報
スタッフ
監督 ピーター・バーグ
製作 スコット・ステューバー
ディラン・クラーク
マーク・ウォールバーグ
スティーブン・レビンソン
キャスト
マーク・ウォールバーグ トミー・サンダース
ケビン・ベーコン リック・デローリエ
ジョン・グッドマン エド・デイヴィス
J・K・シモンズ ジェフ・ピュジリーズ
ミシェル・モナハン キャロル・サンダース
あらすじ
13年4月15日。ボストン警察の殺人課に所属する刑事トミーは、 「愛国者の日(パトリオット・デイ)」に毎年開催されるボストンマラソンの警備にあたっていた。50万人の観衆で会場が埋め尽くされる中、トミーの背後で突如として大規模な爆発が発生。トミーらボストン警察の面々は事態を把握できないまま、必死の救護活動を行なう。そんな中、現場に到着したFBI捜査官リックは、事件をテロと断定。捜査はFBIの管轄になるが、犯人に対し激しい怒りを抱えるトミーは、病院に収容された負傷者たちから丁寧に話を聞いてまわる。やがて、監視カメラに映っていた「黒い帽子の男」と「白い帽子の男」が容疑者として浮かび上がる。(以上、映画.com)
予告
まえおき
『ローン・サバイバー』『バーニングオーシャン』の実話映画コンビ、ピーター・バーグとマーク・ウォルバーグの新しい実話映画『パトリオット・デイ』。
予告見た時に「また実話やんの!?」と思ったし、公開が近いてきたという時にニュースを見てるとアリアナ・グランデのライブで爆発テロのニュースが…
うわー、なんでこんなにタイムリーなの…とか思いつつも見てきました。
先に言っとくと、いつもおフザケしながらくだらない感想を書いてる僕からしたら、実話映画の感想って凄い苦手なんですよね…
ふざけられないし、そもそも面白そうと思って映画も見に行ってはいけないような気がしちゃうし…本当に人が死んでる話ですからね…
でも今作を見てて映画の素晴らしさに改めて気づけた事があったし、ストーリーでもいろいろ思った事があったので、その事をズラ〜っと書いていきます。
それでは始めていきます。
『パトリオット・デイ』感想
点と点が繋がる奇跡。現実のヒーローはマントを付けて空を飛ぶ人でも、鋼鉄をまとって空を飛ぶ人でも、壁にくっついて手から糸を出す人でもなく、地に足つけて走り回る正義感を持った男たちなんだな〜。
良かった点
映画の素晴らしさの一つがこの映画にはありました。
映画の素晴らしさって考えれば何個も出てくると思うんですけど、大きく言うと二つあると僕は思っています。
一つは「楽しませてくれる」という事。まぁ、エンターテイメントって事ですよね。
二つ目は「教えてくれる」という事だと僕は思います。
どういう事かと言うと、ニュースで日々いろんな事件が流れていると思いますけど、それって「こんな事が有りました。」って最終的な結果を伝えてるだけで、どんな事情があってそうなったとか、その事件を解決するまでこんなドラマが有りましたとかまでは流石に詳しく知れないじゃないですか。
今作が公開されるちょっと前の5月22日に爆弾テロが有りましたが、日本でも当然ニュースになりました。でもやっぱりそれは結果を伝えてくれてるだけで、どんな爆発だったのか、被害者はどんな怪我だったのか、どんな人だったのか、犯人にはどんな事情があったのかって事までは詳しく知れませんよね?
別にニュースを否定してる訳ではないですが、その点を詳しく描いて観客に映像で「教えてくれる」のはやっぱり映画なんですよね。
今作はちゃんとどんな事件だったのか、どんな怪我だったのか、被害者はどんな人たちだったのか、犯人はどんな奴だったのか、捜査はどのようにして行われ、どのようにして結末を迎えたのかってのをちゃんと教えてくれます。
こういうのをリアルに描けば描くほど、普通に生きてたら詳しく知る事のない出来事を映画を見るという行為だけで学べるんです。
だから「教えてくれる」という事をちゃんとやってくる映画は素晴らしいなと思います。
その点の話すると止まらないんですけど『シンゴジラ』とか偉くて、アクアラインとかの避難方法を見せてくれるんですよあの映画。異常事態になったら政府はこう動くとか見せてくれるんですよあの映画は。普通に生きてたら絶対知れない事を教えてくれるので良いですよね。
その「教えてくれる」という事がフィクションの話にあると、おもしれぇぇぇえって思いながら学べるので尚更良いんです映画って(笑)
今作の話に戻りますが、今作はノンフィクションの話なので、おもしれぇぇえってはあんまり思いたくないですけど「教えてくれる」というのが結構ありましたね。
特に爆発直後、被害者たちの怪我を丁寧にちゃんと見せてるのが、偉いな〜と思いましたね。
2013年に見たニュースはこんな怪我を負った人たちがいたのか…って胸が痛くなりました。
爆弾ってイメージ的にはボカーンってなって爆風や熱で死ぬって思われがちだけど、それだけではなくて、拡散弾タイプの爆弾もあります。爆弾の中に釘とかボールベアリング(鋼鉄の玉)とかが入っていて、それが飛び散る事によって致命傷を与えるというやつですが、ボストンマラソンの場合は完全に金属片とかが飛び散るタイプのやつですね。
どんな爆弾だったのかという映像があるのでよかったら
100%ちゃんとリアルに描けてるわけではないかもしれませんが、爆弾のそばにいた人たちはこんな怪我をしていたのか、酷い、見てられない、こんなの絶対良くないって思えますよね。
それにしても、遺体を現場に残しておかないといけなくて、遺体のそばにずっと立ってる警官の表情が辛かったな〜
実際の映像がいつもより多かった
ピータバーグの実話系映画って毎回かなり実際の映像を入れ込んでくるけど今作はいつもより多かったと思います。単純に提供映像が多かったからだとは思いますが。
ピーターバーグは実際の映像を入れ込んでくるタイミングが上手いですね。逆に下手な人を見た事がないのでいまいち詳しくは語れないですけど。(笑)
というか、ニュースでは知れない事を教えてるくれるのが映画の良さの一つだとか言っときながら、調べてみるとアメリカのニュース、結構詳しく教えてました…(笑)
超至近距離で爆発してる映像もあったりします。こういうの知らずに、テロなんて絶対よくな〜いとか言うのもどうかと思うので見た事ない人は見てみて下さい。いくつか貼っておくので。
これは映画にもあった「白い帽子」の男が映ってる動画です。超至近距離で爆発してます。
こちらも実際の爆発が映った映像。今作がかなり状況再現出来てるなと思う映像です。
ニュースでこんな至近距離で爆発してる所みせるんだと思ってびっくりしました。
で、これはニュースじゃないんですけど、一般の方が撮影した映像。爆弾の音の凄さが伝わります。
今作で描かれてる事件の犯人逮捕のきっかけを作った中国人男性がいますけど、あの車で脅迫された状況から逃げ出すってめちゃめちゃ凄い勇気ですよね。僕なんか映画の見過ぎで、銃とか突きつけられてもスティーブン・セガールのように敵の銃を奪う所を想像して敵なんか倒せるわとか思っちゃいますけど、実際にあの車の中のようなシチュエーションになったら絶対ビビって動けないですよ…
正直、映画見ててこの中国人なんのためにいんの?って思ってたんですけど、超重要な役でしたね…
そんな彼が実際に犯人から逃げ切った映像も見つけたので良かったら。
事件が起きたら実際にどのように捜査されているのか
まあ、捜査が丁寧に描かれてる映画なんていっぱいあると思うんだけど、今回は実話ということで「へ〜」って思う所が何個かありましたね。
まず、捜査本部ってあんなに即席というか超高速で作られるもんなんですね。
まあそんなもんかって感じもしますが「へ〜」ってなっちゃいました。
まずトイレを用意しなければってやり取りもリアルでしたけど、あれは事件解決がもっと時間かかると思ってたとかいう事も表してるんですかね。
ピーターバーグはやりかねないな〜(笑)
そして犯人の特定方法が地道なんですよね〜
やっぱひたすら監視カメラ見続けるしかないんですよね。
見つけた時、思わず
「ボスっ」
ってビシっと手を上げたくなるぐらい地道で大変なんでしょう。
あとね、よく見ないと分からないんですけど、捜査本部で結構アクビしてる人もいました。いくら大事件の捜査と言えども人間ですからアクビもしちゃいますよね...そんな所が妙にリアルでした。
戦争かよと思うほどの銃撃戦
映画で良く見る銃撃戦は、実際だと10〜15秒以上長引く事ってほとんど無くて銃弾も4〜5発撃つ程度なんですって。
でも今作で描かれてる事件は8分ほどの銃撃戦で銃弾も400〜500ほど撃ったらしい。
銃撃戦のシーンは、かなりドンパチやってもこれ本当かよって僕は思わなかったので、結構リアルに出来てたんじゃないかな〜と思いました。
ただ、住人がこれ使ってくれって言ってハンマー渡すシーンは凄く疑問です(笑)
あれ本当にあったわけ?ハンマーの渡し方とか警察の表情とか笑かそうとしてるようにしか見えないんですけどw
僕の隣にいた人は吹いてましたw
ここまで記してきたのは、割と好印象な感想。
ちょっとどうなの?て思う所もございます。
悪かった点
実話映画に脚色って???
僕はいっつも実話映画に脚色がありすぎると本当に嫌だとよく言ってるんですけど、さすがに映画にするってなると脚色無しってのは不可能だとは思ってます。
でもあきらか脚色だろってのがあるとゲンナリするんですよね。俺はリアルが見たいんだって思います。だって実話映画ってリアルを伝えるためにあるようなものじゃないですか。それを脚色しまくるってどうなのって思うんですよ。
でも脚色無しは流石に無理だって理解は一応あるので、脚色するなら自然にやってくれって思います。
その点、今作は脚色っぽい所ほとんど無かったな〜と映画館出てからずっと思ってて感想ブログ書くまでは映画の良かった所として書こうと思ってたんですけど、ある事に気付きました。
トミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)は映画オリジナルキャラ
って事に
え!?彼の存在自体が脚色なわけ!?知らんかった…
じゃあ彼が中心になって動いていた話とか実際はどうなってたわけ!?
なんか極力リアルに描いてると思ってたのに謎が生まれてしまったというかちょっとゲンナリはしました。
爆発直後の無線による指示出しとか、あれ本当だったらかなり凄いですよ…
足を失ったカップルについて
カップル2人で足を失ってしまう男女が出てきますよね。
細かいですけど、彼らがベットでイチャイチャしてるシーンでちょっとだけ強調して、2人の絡まる足が映るんですよ。
最初はなんとも思わなかったけど、後から、あれはこの後この人たちの足は無くなります…という事を示してたのかなーと思ったり…
これに関しては、僕の考え過ぎかもしれないけど、もし僕の考えが合ってたとしたらちょっと微妙というか、そういうのいらないんですけどって思う。
そーいう伏線的なモノはフィクションでやってください…
バーニングオーシャンでもそういう伏線的な脚色がチョクチョク入ってんだよなー。
まあいい映画だとは思うけども…
『パトリオット・デイ』から学ぶ人生
〜正義は人それぞれにある〜
〜ヒーローはアメコミキャラだけじゃない〜
正義ってのは本当に人それぞれ。悪人にだって悪人なりの信じるもの、正義があるんですよね。だから対立は無くならないわけで…
ボストンマラソン爆弾テロの主犯にだって何かしらの正義があってやった行いのはずなんだけど、それがなんだったのかもうちょっと知りたかったな。
彼らの生い立ちについての記事があるので良かったらどうぞ。
〜ヒーローはアメコミキャラだけじゃない〜に関しては、9.11の時にヒーローたちは何をやっていたんだという意見が多かったらしくて、その意見を受けたマーベルは粋な計らいをしました。
何したかって言うと、本当のヒーローは超人的なパワーを持った人ではなくて地に足つけて頑張る警察や消防、救急等の人たちだという事を世間に伝えたんですよ。
ボストンマラソン爆発事件でもヒーローは彼らでしたよね。
Fin
余談
主犯の奥さん役でスーパーガールで有名なメリッサ・ブノワ出てて何やってんだよって思いました(笑)
この人セッションでもちょい役として主人公の彼女役やってたし、そういうの好きなのかな(笑)
メインキャストに充分入れる人だとは思うんだけど…