本当にあった怖い話って本当にあるのかもしれない話?
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あれは私が大学生の時の出来事でした・・・
「お疲れ様でした〜!お先に失礼しま〜す」
私はバイトを24:30に上がった。
当時居酒屋でバイトをしていた私は、24時ぐらいに上がるのは日常茶飯事で、バイト先から家に帰る時は自転車を使って家に帰っていた。
「ふぅ、、、疲れた〜さっさと家に帰って風呂入って寝るか〜」
と、心の中で呟きながら自転車の鍵を開けてペダルに足を乗せ、グンと力を入れて前に進みながら帰路についた。
自転車でいつも通りの帰路を進んでいると、とある橋が目の前に現れる。
バイト先から家に帰る時にはどうしても渡らないといけない◯◯橋だ。
この、◯◯橋という橋は自殺のスポットとして有名な橋だった。
「ったく、こんな不気味な橋を渡らなくても帰れるんだけどな〜 でも時間掛かるんだよな〜」
そう思いながら橋へ向かう私。
それに自殺の名所とはいえ、なんだかんだ毎日渡っているし何か得体の知れないモノが現れた事も一度も無かったので怖さなんてものは無かった。
だからいつも通り橋を渡ろうとしたが、その日の◯◯橋は何かが違かった。
橋に突入して自転車を立ち漕ぎで漕いでいると、曲線タイプの橋の丁度真ん中らへんに男女二人が居るという事が徐々見えてきたのだ。
「ん?こんな時間に人?」
男女二人の姿が見え始めた時はそんなに気にならなかったが、徐々に二人に近づくほど二人が橋の真ん中にいる事に恐怖を感じた。
「まてよ、この橋って真ん中が一番高いから、真ん中から飛び降りる人多いんだよな、、、え?うそだろ?」
橋の丁度真ん中には花束が供えてある。
男女二人も丁度花束の所を歩いていた。
「めっちゃ怖い、、、なんなんだあの人たちは、、、」
そして僕が乗ってる自転車というのが、そこそこ値段の張るマウンテンバイクでママチャリとは違ってライトが付いていない。
代わりに別売りの小さい懐中電灯のようなライトをハンドルにつけていたが、そのライトの電池がたまたま切れてしまったので◯◯橋のオレンジ色に光る明かりしか周りには無かった。
そのオレンジ色の明かりが気味の悪さを倍増させていた。
しかし、自転車を漕ぐ足を止めては帰れないので、とりあえず私は漕ぎ続けて前に進んだ。
徐々に前方にいる男女と距離が近くなる私。
どうやら男女二人は私に背中を向けた状態で歩いているという事が分かった。
それもかなり遅いペースでゆら〜と歩いている。
そして、もう1つ分かった事があった。
それは
男女二人を追い越す事が出来ない
という事だった。
◯◯橋は車道と歩道で分かれているそれなりに大きい橋で、男女二人は手をつないで歩道の幅いっぱいに歩いていたため追い越せなかったのだ。
また徐々に近づく男女と私。
私は得体の知れない男女二人に対する恐怖のせいで自転車を慎重に漕いでいて、全く音を立てずに男女二人に近づいていた。
そして遂に男女二人と私との距離が0に近くなった時、ボソ〜〜〜っとした声で
「すいませ〜〜ん」
と、二人を追い越したい私は言った。
すると
カップル「ギャァァァァァァァアアアアアァアア△◯♪#$%&」
その声に驚き
私(しーまん)「ウワァァァァアアアアアアアアア△◯♪#$%&」
あんなに映画見たいに腰が砕けた人間を見たのは初めてだった。
男は『ナイスガイズ』のゴズリングのように情けない叫び声を出していたし、女はスクリーム・クイーンとして有名なメアリー・エリザベス・ウィンステッドのように綺麗な悲鳴を出していた。
どうやら私がお化けだと思っていたカップルは、逆に私の事をお化けだと思ったようだ。
そんな中で私は、もう一度「すいません」と一言いって橋を渡り切った。
私はこの話を本当にあったくだらない話として語っているが、あの時のカップルは今もどこかで『◯◯橋の「すいません」』というタイトルで“本当にあった怖い話”を語り継いでいる事だろう。
Fin